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動の執念と静の執念 ~ナビスコ準決勝 2nd H/川崎戦 [Marinos *]

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「きっと、これからはもっとお気楽に楽しめますよぉ。」
準決翌日の夜、ずーっとお会いしたかったマリサポの方とお会いして、
そう言ってみた。
言ってみて、『ほんとに?』ともうひとりの自分が言っていた。

私が大げさなだけで、
トリコロールのスタジアムを離れた人は、
これまでも何百人、何千人といたのだのだと思う。
その人たちの“最後の試合”は、どんな試合だったのだろうか?

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それぞれの想いを準備に変えて、“その時間”はやってきた。
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今が、その時。
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オーロラヴィジョンに映し出される選手の表情は、みんな決意に満ちていた。
「やれるぞ。」そう思わせる。
0-2で終わった1st.レグ。失点せずに最低でも2点獲るための90分(+α)。
それがかなわなければ、このカップ戦の頂点への道は途絶える。
リーグ戦も予選も、誰にとっても“二度とない試合”なことに変りはない。
しかし、これは、期せずして、
「若い、若い」と言われた今季のチームが続けてきた9ヶ月を確かめる大一番となった。
この劣勢をひっくり返すチカラは、自分たちにあるのか?

いつのまにか、でも着々と、彼ららしい道で“本物の強豪”になった隣街のチーム。
私はここ数年、
“いつタイトルを獲ってもおかしくないチーム”“タイトルがないことが不思議なチーム”と、思ってきた。
1stレグで思いしらされたその幹の強さは、2ndでも揺るがず、
それでもなお、なりふりかまわぬ老獪さを出してくる様は、
彼らの長い長い間のタイトルへの静かな執念。
これをひっくり返す。
我がチームながら、現時点においてチームの成熟度ではかなわない。
それでも、“うまいこと”を考えずに、ただただぶつかっていく、真正面から。

(願ってやまなかった)前日のセットプレー練習の甲斐あってか、
“伝家の宝刀”は、相手ゴールを何度かおびやかすことができた。
そのたびにボリュームを増すスタンドの手拍子は、このチームの来た道。
「こーきち君は、聴いてるかな?私たちは“本意”だよ。」
それでも、ゴールの枠はとらえ切れず、単発で終わる。
『セットプレーは横浜の武器』と、誰もが言った。
ただそれは、優秀なキッカーと高く強い選手をそろえていたからだけではなかった。
1本のCK、1本のFK。そこで得点するというチームの意志。
「直接決まることのほうが、稀なんだよ・・・・・そこに誰かがいて、狙ってないと。」
手入れされなかった宝刀の今。
それでも、1stよりは少しだけ輝きを取り戻していた。

動の執念のトリコロールと、静の執念のフロンターレの攻防。
息を呑む。

その象徴とも思える純心無垢な15番の駆け引きさえない“動”から、均衡はやぶれた。
蹴るのは我らが10番。
「きたっ!!」
一気に変るスタジアムの空気。
突然、重い霧が消えてなくなり、爆発するチカラ。
これがマリノスのスタンド真骨頂。
今日、2度目の涙だった。
滲むトリコロールのスタンド。
「ぜったい、いけるっ!獲れる!」
今まで経験してきた数々の(傍からみると)奇跡の突風が新横浜上空に龍のごとく立ち登った。
攻めた。目の前の1点のために。
その方法はどこまでも愚直だったけど、攻めつづけた。
スタンドも、声と手拍子で攻めつづけた。

終了まで10分を残して、ゲームを締めくくろうとするフロンターレ。
1点を狙うような時間ではないという共通判断。
使われる時間。
何度も観てきたシーン。よみがえってくるイメージ。
それを繰り広げられた時からトリコロールは強さを増す。
したたかに、したたかに、でも強さを持って奪ってきた数々の試合。
しかし、そこにあったのはしたたかさではなく剥き出しの純心。
その後起きた奇跡は、“真っ直ぐなゆえの愚行”。
前半、ことごとく危機を救ったゴールマウスの神童は、その無垢さゆえ、
老獪を許せなかった。

それでも、「まだいける。」と思わせたのは、
宏太のあきらめなさ。
私たちから一番遠い、孤独な、まったく経験のないポジションから伝わってくる、熱。
隙があれば、駆け上がってはゴールを乞うボールを送りつづける。
駆け上がり、戻りをくり返す宏太の意志。
その意志をゴールに叩き込もうとするメンバー。

その必死も、予定されていたようなあっけなさでとどめをさされ、ホイッスルは鳴った。

ピッチに倒れこむトリコロール。
この日オランダにいたかつてのトリコの名将は言った。
『勝ち負けだけではない、観る人の心を揺さぶる何か。』
「岡ちゃん、なんか、やっとここまで来たみたいだ。」と、つぶやいてみた。



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トリコロールのスタジアムを離れた人は、
これまでも何百人、何千人といたのだのだと思う。
その人たちの“最後の試合”は、どんな試合だったのだろうか?

これが、私の“最後の試合”になった。



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コメント 4

sono

raichiさん、ありがとう。ここに辿り着けてよかったです。
by sono (2009-09-08 19:38) 

じゅんのすけ

何だか泣けてしまいました。

会ってもいないのに、この試合を最後にしばらくお会いできないことがとても淋しく思えます。

いつか必ず日産スタジアム(横国)に戻ってきてください。

最終節のアウェイ山形戦にも是非!

raichiさんのトリコロール愛を引き連れて、広島行って来ます。

by じゅんのすけ (2009-09-08 22:50) 

raichi

sonoさん。
この繋がりも“マリノスあってこそ”ですね。
くれぐれも長崎、よろしくお願いします。
by raichi (2009-09-08 23:11) 

raichi

じゅんのすけさん。

最終節は、年末の土曜日なのです・・・・。
がんばってみるけどぉぉぉ。

広島。
あの開幕戦!!
今のアーリアならだいじょーぶっ!
昨日の“出頭でーと”の密談の結果、
どーにもこーにもうちは“山が見える競技場”が・・・・・。
(NDもなんだが・・・・。)
なので、しっかりひきしめてお願いしますっ!


by raichi (2009-09-08 23:17) 

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